I want to meet you.








私が小さい頃、母が言っていたのを覚えているわ。あの日は迷子になってしまって見知らぬ町での不安と母がいないという寂しさに泣きそうになった。だけど私は泣かなかった。泣いたらなんだか余計に悲しくなりそうで怖かったから。



そして母が私を見つけてようやく再会できた。私はその時、ようやく泣けて声をあげて泣いていたわ。



母はそんな私を慰めるようにしてある事を教えてくれた。



「ハーマイオニー、会いたいと思う人があなたの傍に居なかったらこうするのよ」



母は自分の人差し指と中指を絡ませて私に見せた。



「そうすればきっと、その人はあなたの元へ来てくれるから…」



そう言って母は優しく微笑み、私はまた母に抱きつき大泣きした。









あれから数十年が経ってしまったわ。

私はホグワーツを卒業してロンドンの小さな家に一人で住んでいる。魔法とはしばらく関わっていない。



あの人は言っていた。戻ってくると言っていた。迎えに来ると言っていた。

…嘘つき。私を騙してるわ。



何で来ないの。

何で迎えに来てくれないの。



いいえ、あの人は来るわ。信じて待つしか私には出来ない。仕方のない事だったのよ。私がこの私があの人と幸せに暮らせるはずがない。そんな事分かってた。それでも、それでも私はそんな未来信じたくなかった。私だってあの人だって普通に暮らしていけるはず。普通に幸せに暮らしていけるはず。



窓から見える街。今日も私は見ている。

人差し指と中指を絡ませて。












※これのどこがドラハなのか(悩)